悲惨 [accident]
恒例行事とは言わないで・・・。 Vol.5
事故現場にチョークで車両の位置を印していた警官。
「終りましたー!」
「よーし!車両を動かずぞー!!」
現場の指揮を取る警官A。
その警官の指示に従って軽自動車を動かし始める相手ドライバー。
周囲の注目を集めながら、軽自動車がバックし始めた・・・、
ガッ!ガッ・ガリッガリッ!!
イヤな音を立てながらバックしていく軽自動車。
あまりの痛々しさに思わず目を逸らす。
そして姿を現したBandit。
濡れた路面に悲惨な姿を晒していた。
周囲に散らばった部品が、街灯に照らされてキラキラと輝いている。
警官の一人がバイクを起こすと・・・、
警官B:「〇〇さん!オイルが漏れてます!」
警官A:「なにー!?砂撒いとけー!」
警官B:「えっ!?どこから・・・?」
警官A:「消防車が来たら撒いてもらうんだよ!!」
そんな怒号が交差点内に響き渡る。
往来する車を停め、ゆっくりと押されながらBanditは歩道まで移動させられた。
SUZUKI Bandit250
左側全面が傷だらけになり、傷ついたエンジンからは未だにオイルが漏れ続けている。
買い替えたばかりのサイドミラーは飴のように曲がり、タコメーターとスピードメーターは有り得ない方向を向いてしまっていた。
そして周囲にはガソリンの臭いがたちこめる。
その変わり果てた姿を見つめていると、遠くから近づいてくるサイレンの音に気がついた。
消防車と救急車のサイレンが重なりながら近づいてくる。
そして現場に到着した消防車と救急車。
その赤色灯に照らされたBanditの車体は黒く深い光を反射している。
そして歩道に佇むその姿は、ただの鉄の塊にしか見えなくなっていた・・・。
(続く・・・)
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