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引力 [accident]

         ③ズブ濡れの


彼女にフラレてしまった私。
とりあえず自己防衛の策としてアルコールに逃げる事を選択。
行きつけの店で3時過ぎまで呑み店を後にする・・・。

外は土砂降りでまるで私の心のよう。
店を出て交差点の横断歩道で信号待ちしていると、反対車線の歩道に・・・、

 

 

 

ズブ濡れおねぇさん傘も差さず足を引きずりながら歩いている!!

 

 

 

姿が目に入った!!
こいつはチョッと怖い・・・( ̄ロ ̄lll)p

泥酔状態だったしそのまま見てみぬフリをしようとしたのだが、やっぱり気になりそのおねぇさんに近づき持っていたを差し出す。

edi:「はい。これあげる。」
おねぇちゃん:「あ、ありがとうございます・・・」
edi:「気をつけて帰ってね。」

そんな言葉をかけてズブ濡れになりながら帰宅。
だが・・・、

 

    

 

家に帰り着いても気になってしょうがない!
どうみても帰る手立てがないように思えて、また家を出ておねぇさんの様子を見に行ってしまった。

おねぇさんは交差点近くの店の軒先で渡した傘を雨除けにしながら座り込んでいる。
キョロキョロと周りを見渡し何かに怯えている様子・・・。
近づいて声をかけてみる。

 

 

 

edi:「大丈夫?」
おねぇちゃん:「うっ、うえぇ~~ん・・・・」

 

 

 

と、いきなりの号泣!
泥酔状態で対応する思考能力もない私は仕方なく泣いているのをジッと静観。
しばらくするとおねぇちゃんも落ち着き始め泣きじゃくりながら、

 

おねぇちゃん:「す・すみません。あっ、ありがとうございます。」
edi:「大丈夫?なんか嫌な事があったの?」

 

 

 

おねぇちゃん:「うっ・・・、うわぁーーーん・・・。」

 

 

 

と、また号泣。
こりゃあ長くなるかなぁ~・・・?
と、思ってまた静観。

 

おねぇちゃん:「すっ、すみません・・・。元カレに会っちゃって・・・」
edi:「うんうん。(・・・ってか、いきなりそれじゃあ分かんないけど・・・)」
おねぇちゃん:「元カレの家に荷物を取りに行ったら偶然会って殴られちゃって・・・。
edi:「うんうん。(・・・それは偶然じゃないと思うけど・・・)」
おねぇちゃん:「ケイタイも折られちゃって・・・。」
edi:「・・・(あ・荒れてんなぁ~)。」

 

 

 

おねぇちゃん:「うえぇーーーーん!(T-T)」

 

 

 

と再度の号泣。
このまま朝までこの調子か・・・!?
え~と、こういった場合はどう対応すればいいんだろう。

 

edi:「えぇ・・・と、お家はどこなの?」
おねぇちゃん:「○○(都内)です・・・。」
edi:「えっ?と・遠いねぇ・・・。どうやって帰るの?」
おねぇちゃん:「さっきそこ(の公衆電話)でカレに連絡したんだけど途中で切れて・・・。」
edi:「えっ!?じゃあ手立てなし?」
おねぇちゃん:「大体の場所は分かると思うからこっちに向かってはいると思います・・・。」
edi:「そうなんだ~。じゃあ安心だねぇ。で、カレの家はどこ?」
おねぇちゃん:「○○です・・・」
edi:「おぉ!近いじゃん!!(* ̄▽ ̄)ノ だったらもうすぐ着くよねぇ。」
おねぇちゃん:「でも詳しい場所は分かってないから・・・。」
edi:「でもこっちに向ってるんでしょう?ここは分かりやすいから大丈夫だよ♪」
おねぇちゃん:「そうですか?」
edi:「もう明るくなってきたし大丈夫でしょう?」
おねぇちゃん:「あっ、そうですね・・・。」

 

空を見ると薄くではあるが明るくなってきた。
雨も弱くなり嵐は過ぎ去った感じ。
車の通行量も多くなりその気になればタクシーも拾えるだろう。

 

edi:「じゃあ、そろそろいくよ。気をつけてね。」
おねぇちゃん:「・・・・・・。」

 

その場を去ろうと立ち上がり歩き始める。
すると後ろから・・・、

 

おねぇちゃん:「どうも、ありがとうございました。」

 

足を引きずりながらも立ち上がって言う彼女。
その顔には笑顔が戻っていた。

 

edi:「元気出してね~♪」

 

と、笑顔で返事をし歩き出そうとした時、1台のタクシーが止まった。
(やっとカレのご到着か~?)
タクシーから出てきたのは茶髪黒いツナギをきた若いにぃちゃんおばちゃんの2人。
にぃちゃんは一瞬こっちを見て、すぐおねぇちゃんの元へダッシュ。
その後にトボトボと続いていくおばちゃん。

 

にぃちゃん:「おい!あいつ誰だよ!」
おねぇちゃん:「えっ・・・。あの・・・、この傘くれたの・・・。」
にぃちゃん:「はぁ~!?」

 

おぃおぃ、なんか荒れてねぇーか!?( ̄Д ̄;)p
絡まれそうな気がするのは気のせいか?
なんか雲行きが怪しくなってきて、不安にかられ逃げ出したくなってきた。
するとにぃちゃんが回り込むように私の正面にきて行く手を塞ぐ・・・

 

edi:「・・・・?(ヤ・ヤラレル!?)」 

 

 

 

 

にぃちゃん:「ご迷惑おかけしてスミマセンでした!」

 

 

 

 

 

と深く頭を下げる。
チョッと拍子抜けしつつも礼儀正しい挨拶に感心。

edi:「いえいえ、気をつけてかえ・・・・」

と、言ってる私を無視してにぃちゃんは再びおねぇちゃんの元へ。
すると今度はおねぇちゃんが・・・。

 

 

 

おねぇさん:「うっ、うえぇ~~ん・・・・」

 

 

 

と、号泣し始めカレに抱きつくかと思いきや・・・、

 

 

 

 

 

 

 

 おばちゃんに抱きついて号泣!?

 

 

 

 

 

 

 

一体この3人ってどんな関係なんだ?
このおばちゃんはカレの母親じゃないのか?
う~ん・・・、謎だ!

 

3人を乗せたタクシーは嵐と供に去っていった。
雨も上がり明るくなり始めた空の下、誰もいない路地を傘を振り回して家に帰る・・・。
あの後、彼女はカレとどんな話をしたんだろう?
そんな事を考えながらベッドに横になる。

なんだが頭も痛くなってきた。
もう二日酔いがきたのか?それとも雨に打たれたせいで風邪でもひいたのか?
明日のBBQは行けるのかぁ~。
そんな心配をしながら・・・zzz。

 


 

今思い出しても訳の分からん出来事だった・・・。
負の引力お互いを引き寄せてしまったのか?
それとも巷ではよくある話なのか?
そんな事は分からんが、とりあえず「私以外にも泣いている人はたくさんいるのねぇ~」と勝手に自分を慰めてみた・・・( ̄ω ̄*)p

 

本日の教訓カワイイ娘自分には優しくしよう


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