足元 [celebration]
底が抜けても明るい奴☆後編
酔いが回ったせいなのか、足元が覚束ない。
ちょっとよろめきながら歩いていると絨毯の上で何かを引き摺った。
足元に注意を向けると、微妙に酔ったその視線の先には見覚えのある光景が映っていた。
あれ？この状況は昔どっかで見た事がある・・・
自分が置かれている状況を理解するよりも前に、昔の記憶を辿り始める。
だが、目の前の状況の異様さに一気に酔いが醒めた！
改めてその目に飛び込んできた光景は・・・、
靴底がキレイに剥がれてしまっていた・・・
革靴の左足の靴底がキレイに剥がれてしまっていた。
何故このタイミングで・・・？
そんな疑問が頭の中でリフレインする。
そして思い出す・・・。
過去に起きたあの出来事を・・・。
そう、あれは5年前。
今の職場の採用試験の日。
面接を受ける為にスーツに革靴と言う慣れない服装で試験会場に向かった。
だがその途中、地下鉄の階段から転げ落ち今回と同じ様に靴底が取れてしまう。
どうする事もできず、剥がれたままの革靴でそのまま面接を受けたあの日。
そしてまんまと採用試験には合格してしまったのだった☆
そんな懐かしくも嬉しい事を思い出した。
靴底がとれると縁起がいい！？
そんな思いが、余興や2次会の司会の件の不安を吹き飛ばした♪
(と言うか、そう思い込んだ！)
だがその前に、とりあえずこの状況をなんとかしないと・・・（=ｗ=；
近くにいたスタッフのおねぇさんに声をかけてみる、
edi：「あのー・・・。」
スタッフ：「はい？」
edi：「瞬間接着剤ってないですか？」
スタッフ：「えっ？なんですか・・・？」
edi：「だから瞬間接着剤です。」
スタッフ：「接着剤、ですか・・・」
edi：「そう接着剤。ないですかねぇ～？」
スタッフ：「え～と・・・。」
なにやら困った様子で見つめられてしまった。
どうやら何を言われているか分からず混乱してしまったようだ。
仕方なくおねぇさんに剥がれた靴底を見せながら・・・、
edi：「靴底が取れたから接着剤が欲しいんです！」
スタッフ：「あっ！わ・分かりました！！」
私の靴底をみてすべての状況を理解してくれたようだ。
そのまま彼女は走って外へ消えていった・・・(￣∀￣;;)p
そしてしばらくして・・・、
アロンアルファで必死に靴底をくっつける
披露宴の最中に、おねぇさんが持ってきてくれた瞬間接着剤で靴底をくっつける。
もう披露宴そっちのけ！
必死にくっつけていると、いつの間にか余興の時間が。
靴底に気をつけながら歌って踊って余興は終った・・・。
そしてその後の新郎の挨拶で披露宴は無事に終了。
で、続けざまに場所を変えて2次会が始まる。。。
場所は同じホテル内のレストラン。
任されていた司会をこなしながら進行させるが、シドロモドロで会場内は統率が取れない・・・。
それに加え、披露宴～2次会で完全に酔っ払ってグロッキーな新郎と、その新郎にやや切れ気味な新婦。
そんな雰囲気を気にする事なく勝手に盛り上がっている会場内のお客達。。。
そして、その状況をどうにも出来なくなっていた私。
そんな時・・・、
今度は左足の靴底が剥げた・・・
右足の靴底は接着剤で完全にくっついていたが、今度は左足に悲劇が舞い降りる。
司会と言う立場上、接着剤でくっつける余裕もない。
仕方なく靴底を強引に剥ぎ取って、会場隅に放りやった。
大丈夫・・・、きっと上手く行く。。。
放りやった靴底に願掛けするように自分に言い聞かせ、必死になって2次会を進行させる。
すると統率のつかなかった会場が、徐々に進行に合わせて耳を傾けるようになってきた！
私の努力が報われた。。。(￣∀￣;;)p
そんな安堵の気持ちが芽生え始めた時、またしても私の予想外の展開が起こる。
新婦：「ハイ！ジャンケンで最後に残った2人に賞金をあげます！」
edi：「なんですとー！！(￣ロ￣lll)」
打合せではジャンケン大会は2回行う予定だった筈。
しかも間にチョッとしたネタも挟もうとしていたのに・・・。
そして3次会の開始予定時間を計算しつつ進行していた私は、このジャンケン大会を引き伸ばしてなんとか時間調整をしようと目論んでいたのだった・・・。
だがそんな私の目論見を他所に、案外アッサリと早く終ってしまったジャンケン大会。
この後は新郎の挨拶を残すだけだが、3次会の開催予定時間までは1時間以上残っていた・・・。
仕方なく「御歓談を・・・」と逃げの言葉を吐いて新婦に詰め寄る！
edi：「どうすんだよ、こんなに早く終らせて。」
新婦：「もう〇ッシー(新郎)が全然ダメだから早く終らせて！」
edi：「ちょ、待てって！3次会の時間まで1時間以上あるぞ。」
新婦：「もうキャンセル！スク(いつもの呑み屋)でいいから！」
edi：「えぇー！？(」゜ロ゜)」」
3次会の会場はお店の人が状況を見て予約してくれる事になっていた。
そんな訳で、お店の人に頭を下げキャンセルの依頼をし、とりあえず2次会を終わらせるべく収拾を図る。
泥酔状態の新郎の挨拶を・・・と思ったが、どう見ても挨拶ができるような状態でないため、代わりに新婦の挨拶。
やっとの事で役目を終えることができました～♪(￣∀￣;;)p
と、思ったら・・・、
会場外で喧嘩を始めた新郎とその友人達・・・
しかもその苦情が私の元へ・・・（=ｗ=；
喧嘩を止める力量がない私にどうしろと言うんですか！？
だがお店の人は、2次会で司会をしていた私の元に来ては「なんとかできませんか？」と懇願の眼差しを向ける。
ムリだよ・・・。ムリな事ばっかり押し付けんなよ・・・(T-T)
そんな心の叫びは届く筈もない。
覚悟を決め非力な腕に力を込めて、揉め合っている人混みを掻き分け中に入る。
そして新郎と新婦を人混みから押し出しエレベーターに強引に乗せて、とりあえず収拾をつけてみた。
お店の人に謝罪をし、会場と外に残っていた客に解散を促し、何とか2次会の司会としての仕事を終えた。
そして・・・、
それでも宴は続いていく・・・
3次会に雪崩れ込んだメンバー。
さっきの乱闘騒ぎはどこ吹く風。。。
新郎新婦もいない3次会は更なる盛り上がりを見せ始めていた！
今日1日で取れてしまった両足の靴底。
だが片方はどこかに行ってしまった・・・。
左右の段差を感じながら歩くその姿は、戦場で傷ついた兵士のようだ。
傷ついた身体を引き摺りながら3次会の会場を後にする。
「結婚オメデトウ☆」
そう呟きながら空を見上げると、1粒の水滴が顔に落ちてきた。
やっぱり雨を降らせてしまうのは雨男だからか・・・？(-。－;)
でも結婚式が無事に終ったからいいか♪
2次会の司会と言う重圧から開放された私の心は晴れ渡っていた。
色々苦労も多かったけど、まっいいか！
1つ気がかりな事は剥がれてしまった革靴の事。
また靴買わなきゃなぁ～。(￣∀￣;;)
(おしまい)
☆やばい・・・。
ツボります・・・。
どうしてそこまで（笑）
by ijimari (2009-12-02 12:29)
そんなことがあったんだ(笑）
by ことだま (2009-12-02 20:19)
大変だったね（笑）
靴は３月までに買っておいてね。
by あさみん (2009-12-03 00:10)
ijimariさん＞
どうしてでしょうか？
何故私ばっかりこんな目に・・・(T-T)
by edi (2009-12-03 12:53)
ことだまさん＞
そう。
だからそっちには行けなかったのよ・・・（=ｗ=；
by edi (2009-12-03 12:56)
あさみんさん＞
あっ！そうか。
3月にまでには買わないと・・・。
う～ん。。。また出費がかさむなぁ～(￣Д￣;)p
by edi (2009-12-03 13:00)
お疲れ様～（笑）。
その取れた靴底の写真を撮っている様子を想像しただけで、
相当吹き出しました。
3月もなのね。またネタがんばってね。
by 花れんげ (2009-12-10 10:02)
花れんげさん＞
実はとれた靴底の写真だけでけっこうな枚数行っちゃ行ってます☆
新郎新婦そっちのけで靴撮ってましたから。。。(^ｗ^*)
3月か～。。。
多分何もないですよ。。。と思いたいです。
by edi (2009-12-10 10:48)